ここでは、住宅ローン滞納6ヶ月目で届く期限の利益喪失通知の意味と任意売却できる可能性について解説しています。
「期限の利益」は債務者の利益のひとつです。たとえば住宅ローンの借り入れ時には、「期限までに定められた金額を支払う」という内容の約束をすることになります。具体的には、「35年ローンを組み、毎月末に決められた金額を支払う」のような形で約束をして返済を行っていきますが、このようにローンの返済を分割できることを「期限の利益」といいます。
期限の利益を喪失した場合、翌月からローン残高全体に対し年14%〜14.6%程度の遅延損害金が発生します。元々の金利(1〜2%台)と比較すると非常に高額であり、放置すると残債が膨れ上がってしまうため早めの対処が必要です。
また期限の利益を喪失すると、金融機関から「期限の利益の喪失通知」が届きます。ただし、突然この通知が送られるのではなく、その前に「このまま延滞が続くと期限の利益を失うため一括請求を行う」という点を予告する「期限の利益喪失予告通知」が届きます。この予告通知を無視して滞納を続けると、今度は期限の利益喪失通知とともに一括返済を求められることになります。
「期限の利益喪失通知」とは、期限の利益が失われることを通知するものであり、債権者が「これ以上支払いを待てない」ということを示しています。期限の利益が失われた場合、債権者はこれまで期限の利益によって猶予されていた債務の履行を債務者に対して請求することが可能となります。
このように、期限の利益を喪失した場合には期日まで支払いを待ってもらえないため分割返済が認められず、一括返済が求められているということになります。例えば期限の利益喪失前なら金融機関に相談して、ローンの返済額について相談できる場合もありますが、期限の利益喪失後は相談に応じてもらえないといったケースが予想されます。
さらに、期限の利益喪失後は保証会社による代位弁済が行われます。保証会社は、金融機関への返済を行ってローンの債権を取得し、その後は債権者に対して肩代わりした分について一括で支払うように求めてきます。
このように、代位弁済以降は法的な手続きの準備が進められることになり、放置していると裁判所からの書類が届きます。そのため、早めの対応が必要であるといえるでしょう。
はじめに「消費貸借契約」という言葉について見ていきましょう。この「消費貸借契約」とは、種類や品質および数量の同じものを返す代わりに金銭やその他のものを受け取れるという内容の契約となります。
そして「金銭消費貸借契約」とは、借主が金銭の消費を目的として、借主から借りた金額の金銭を返済する契約です。この場合、返済する金銭には利息額も含みます。簡単にいうと、「借りた金額と同じ金額を返済する」という意味になり、住宅ローンの場合には、この金銭消費貸借契約(金消契約)を締結します。
住宅ローンを借り入れる際に結ぶ契約書(金銭消費貸借契約)には、もしローンの返済が滞り、決められた期限までに返済が間に合わないなどの場合には、残債を一括で返済しなければならない(期限の利益喪失)という条文があります。
住宅ローンの場合、3〜6ヶ月返済が遅れると期限の利益を喪失することが一般的です。このように、返済が滞った場合に期限の利益の喪失が起こるケースが多いですが、それ以外にも期限の利益を喪失することがあります。
たとえば、民法では「破産手続開始の決定を受けた時」「担保を滅失させ、損傷させ又は減少させた時」「担保を供する義務を負う場合にこれを供しないとき」という3つの場面において期限の利益が喪失するとしています。
さらに金銭消費貸借契約では、「定められた期日までに返済しない」「契約時に虚偽の申告を行った」「再生手続きをした」といった場合に期限の利益を喪失すると定めていますので、あらかじめ契約内容を確認しておくことが大切です。
住宅ローンの返済が厳しい場合、通常は銀行の窓口で月々の返済額について減額などの交渉を行えます。しかし期限の利益を喪失してしまうと銀行との交渉は原則不可となり、保証会社に債権が移行することになります。
期限の利益喪失通知が届くと、すでに競売へのカウントダウンが始まっているため、任意売却での解決も時間がありません。
競売成立まで6ヶ月ほどありますが、実際に売却活動できる期間はさらに短くなるからです。
滞納を続けていると、さまざまな書類が届くようになります。期限の利益喪失通知が届いた後には「代位弁済通知」や「競売開始決定通知書」といった通知が手元に届きます。
期限の利益喪失通知が手元に届いた後も対応せずに放置をしていると、さまざまな書類が届きます。期限の利益喪失(滞納から6ヶ月目)のおよそ1ヶ月後には代位弁済通知が届き、さらに1〜2ヶ月後には裁判所から競売開始決定通知書(競売開始通知書)が届きます。このように、競売に向けて進んでいってしまうことになります。
もし手元に「競売開始決定通知」が届いているという方もいるかもしれません。この段階だったとしても、裁判所の入札期間が始まる前(開札日の前日、ただし実務上は入札の1〜2ヶ月前)のタイミングであれば、任意売却への切り替えを行い、競売を取り下げることも可能です。
代位弁済が行われる前(保証会社に債権が移る前)の段階で動ければ、売却活動の準備期間をより多く確保でき、より有利な条件(家をできるだけ高く売却する、引越し時期を調整する)にて任意売却を成立させやすくなります。この点から、代位弁済前のタイミングで任意売却に向けて動くことが大切であるといえます。
上記の通り、期限の利益喪失通知が届いた時点で「どうしたらよいのだろう」と非常に焦ってしまう人も多いかもしれません。しかし、この段階は競売成立までは6ヶ月ほどとなりますので、すぐに動くことで任意売却に切り替えができる可能性があります。
期限の利益喪失通知が届いた時点で「家を失ってしまう」とあきらめてしまう人も少なくありませんが、専門の会社に相談することによって任意売却を行える可能性はまだあります。確かにこのまま何もせずに競売に進んでしまうと、相場の価格よりも安く売却され、さらに残債の一括払いを要求されます。
しかし、任意売却に切り替えられれば相場に近い価格で売却できることに加えて、「残債の分割返済について交渉できる」「引越し費用の捻出ができる」といったメリットもあります。
さらに、「このまま現在の家に住み続けたい」と考える場合には、投資家や事業会社に売却した上で賃貸借契約を結び、賃貸として住み続けるリースバックと呼ばれる方法や、親族に適正な金額で売却を行う親族間売買といった選択肢もあります。
また、期限の利益を喪失した場合、連帯保証人にも一括返済の請求が行きます。親族などに連帯保証人になってもらっている場合には特に、早めに任意売却に切り替えられるように動くことによって、連帯保証人への被害や迷惑を最小限に抑えられる点もメリットといえます。
ただし手続きができる時間は限られていますので、急いで専門会社に相談することが非常に重要になってきます。
任意売却は、通常の不動産売却と性質が大きく異なることから、専門のノウハウが求められます。専門会社であれば、たとえば「できるだけ高く売却するためのノウハウ」や「債権者との交渉力」に加えて、「今の家に住み続けるための方法」といった知識なども豊富に持っていますので、さまざまな可能性を考えた上で相談者にとってより良い方法の提示を行えます。
実際に任意売却の専門会社に相談する場合には、手続きをスムーズに進めるためにも「期限の利益喪失通知書」「住宅ローンの返済予定表(残高がわかるもの)」「固定資産税の納税通知書」を用意しておくことが大切です。できるだけ早いタイミングでの相談が必要となりますが、こちらで任意売却の相談先について解説していますので、ぜひご覧ください。
住宅ローンの支払いが滞った不動産を、金融機関の許可のもとで売却する「任意売却」。横浜でこの任意売却を取り扱う会社は数多くあり、それぞれの会社で得意分野や強みが異なるため、目的に合わせて選ぶことが重要です。
ここでは、「売却後も住み続けたい」「より高く売りたい」「事業資金を得たい」といった目的別に、おすすめの3社をピックアップ。各社の特徴や実績についてまとめてみました。ぜひ、参考にしてみてください。



(※)参照元:リスタート(https://r-start.jp/)※2023年9月~2024年9月度の実績。